No.2978

題名:今日のストーリーは、「Googleの泡立て器とアイスクリーム」
報告者: ダレナン

Googleの泡立て器――Whiskでアイスクリームを創った。

材料を投入し、クラウドのレシピと連動させれば、まるで魔法のように甘く冷たい世界が立ち上がる。

滑らかなバニラと、仄かなラムの香り。完璧なレシピだった。

彼女は床に腰かけ、ひとさじすくって口に運ぶ。

「うん、おいしい」

小さな微笑みが頬に浮かび、夏の光を受けてそれは一瞬、奇跡のように見えた。

だが、なぜか気になったのは、そのスプーンの先端。

なめらかに溶けていくはずのアイスが、ほんのわずかにスプーンこびりついていた。

スプーンの操作の時の彼女への反射も気になる。

空気の混ぜ方? 温度の管理? それとも――心のどこかでまだ何かが固まったままなのだろうか。

彼女は気づかない。スプーンの操作を眺める僕のわずかな躊躇に。

Whiskが提示したレシピはまだ完璧じゃないかもしれない。

でも、彼女の微笑みを本当に満たすには、たぶんもう少しだけ――たぶん、僕自身の手間とWhiskの学習が要るのかもしれない。

プロンプトを洗いながら、次はソフトクリームにしようと思った(笑)。

 
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