題名:カレーライスとライスカレーの違い
報告者:トシ
カレーライスとライスカレーは単純に言葉の組み合わせが前後逆になったため、ご飯の上にカレー、カレーの上にご飯のように思える。さらに、カレーライスよりもライスカレーの方が大衆的な感じがするので、カレーライスが高級洋食育ち、ライスカレーは大衆食堂育ちのように思える。しかしながら、この認識は大きくは間違えてはいないが、正確には若干ながら間違いがあることが調査にて分かったので、報告する。
S&B食品のホームページ1)によれば、日本が貧しかった時代、カレーは汁かけご飯として認識されていた。また、小麦粉が主体の汁かけとしてあったため、いくらでものばすことができた。そのため、その当時はご飯が主体でご飯+カレー味となり、ライスにカレーという見かたが中心であったようである。今で言えば、ふりかけやトッピングに近いカレーだったのかもしれない。それゆえ、ライスカレーと言う名称の大衆食堂的なイメージはここからきているのであろう。その後、時代を経て高度成長期に入り、カレーも本格的となった。特に1970年は外食産業としてファミリーレストランのすかいらーくができた年であり2)、このころから一般家庭でも高級志向が高まった。ほぼ同じくして1968年にS&Bからスパイスと製法にとことんこだわった最高級カレーパウダーであるゴールデンカレーパウダー1)が発売されていることからも、この時期における一般人での高級志向の高まりが分かる。このころはすでにライスにカレーというよりも、カレーを中心にご飯を盛りつける、言わばカレーにライスという状況に変化した。カレーライスのほうがやや高級そうなイメージはこの辺の時代背景からきているようである。一方、ご飯とカレールーが別々の時はカレーライス、一緒の時はライスカレーという見解もあるようだが3)、今のレストランでのメニューからは、カレーライスでもご飯と一緒になっていることがほとんどなので、この辺は難しい判断となる。しかしながら、昔ながらのやや高級な洋食屋では今でも間違いなく図のようにご飯とカレールーが別々になっていることが多い。
図 ご飯とルーが別々になったカレーライス4)
インドにはカレーなる料理はなく、タミール語にご飯にかけるソース状のものを示す単語にカリ(kari)があり、それがカレーの語源と言われている5)。今や国民食とも言えるカレーは、結局のところカレーライスであろうが、ライスカレーであろうが、カレー50%+ご飯50%の組み合わせがカレーと言えるのかもしれない。
1) https://www.sbfoods.co.jp/sbsoken/qa/curry.html (閲覧2015.8.20)
2) https://rnavi.ndl.go.jp/kaleido/tmp/145.pdf (閲覧2015.8.20)
3) http://rocketnews24.com/2010/08/22/『カレーライス』と『ライスカレー』の違い/(閲覧2015.8.20)
4) http://www.illust365.net/tabemono/t-0024.html (閲覧2015.8.20)
5) http://www.ky-factory.com/miracle_curryrice/column/column3.htm (閲覧2015.8.20)