題名:今日のお題は、「天使が微笑む場所」
報告者:ダレナン
(No.2891の続き)
取材のために訪れた街角の一角に、その店はあった。
店の名前は「MY ANGEL」。
外観はシンプルで洗練されており、ガラス窓の内側にはポスターが貼ってあるものの、中の様子はうかがえない。看板はあるが字が読めず、何を売っているのかまったくわからなかった。店の前でカメラを構え、シャッターを切る。カメラのレンズ越しに見えたのは、看板の隅に描かれた小さな羽根のマークだけだった。
店の扉の近くに行くと、スッと店の支配人が姿を現した。思いのほか若い女性だった。その落ち着いた佇まいとは裏腹に、彼女の瞳にはどこか遊び心が宿っていた。
「なんのお店だと思いますか?」
僕は質問を受け、しばし考え込んだ。
「うーん……雑貨屋?」
彼女は即座に「ブー!」と、まるでゲームショーのようなブザー音を口で鳴らした。その表情は微笑んでいたが、どこか挑戦的だった。
「じゃあ、アンティークショップ?」
「ブー!」
「ええと……カフェ?」
「ブー!」
「じゃあ、何屋さんなんです?」
「それはあなたが当てるの。簡単じゃつまらないでしょ?」
そう言って彼女は扉の前に立ち、僕の進入を遮った。
「店の中に入ればわかるんじゃ……?」
「いいえ、答えが出るまでは中には入れません。」
こんな取材があるだろうか。お店に入れずに、そのお店を知る。まるで謎解きのようだった。
「じゃあヒントは?」
「天使が微笑む場所、かな?」
彼女はそう言って少しだけ後ろを振り返り、店のドアにそっと手を添えた。
僕はますます混乱したが、同時にその謎を解き明かしたくなった。カメラを構え、彼女の後ろ姿をもう一度撮る。
「よく考えてね。答えを間違えるたびに天使はちょっとだけ悲しむのよ。」
彼女の言葉に不思議な重みを感じた。
「天使が微笑む場所……?」
一体、ここはなんの店なんだろうか?
僕はもう一度、慎重に答えを考え始めた——。
今日のお題は、「天使が微笑む場所」