No.2892

題名:今日のお題は、「天使が微笑む場所」
報告者:ダレナン

(No.2891の続き)
取材のために訪れた街角の一角に、その店はあった。

店の名前は「MY ANGEL」。

外観はシンプルで洗練されており、ガラス窓の内側にはポスターが貼ってあるものの、中の様子はうかがえない。看板はあるが字が読めず、何を売っているのかまったくわからなかった。店の前でカメラを構え、シャッターを切る。カメラのレンズ越しに見えたのは、看板の隅に描かれた小さな羽根のマークだけだった。

店の扉の近くに行くと、スッと店の支配人が姿を現した。思いのほか若い女性だった。その落ち着いた佇まいとは裏腹に、彼女の瞳にはどこか遊び心が宿っていた。

「なんのお店だと思いますか?」

僕は質問を受け、しばし考え込んだ。

「うーん……雑貨屋?」

彼女は即座に「ブー!」と、まるでゲームショーのようなブザー音を口で鳴らした。その表情は微笑んでいたが、どこか挑戦的だった。

「じゃあ、アンティークショップ?」

「ブー!」

「ええと……カフェ?」

「ブー!」

「じゃあ、何屋さんなんです?」

「それはあなたが当てるの。簡単じゃつまらないでしょ?」

そう言って彼女は扉の前に立ち、僕の進入を遮った。

「店の中に入ればわかるんじゃ……?」

「いいえ、答えが出るまでは中には入れません。」

こんな取材があるだろうか。お店に入れずに、そのお店を知る。まるで謎解きのようだった。

「じゃあヒントは?」

「天使が微笑む場所、かな?」

彼女はそう言って少しだけ後ろを振り返り、店のドアにそっと手を添えた。

僕はますます混乱したが、同時にその謎を解き明かしたくなった。カメラを構え、彼女の後ろ姿をもう一度撮る。

「よく考えてね。答えを間違えるたびに天使はちょっとだけ悲しむのよ。」

彼女の言葉に不思議な重みを感じた。

「天使が微笑む場所……?」

一体、ここはなんの店なんだろうか?

僕はもう一度、慎重に答えを考え始めた——。

今日のお題は、「天使が微笑む場所」

 
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