No.2796

題名:今日のお題は、「野心と恋の狭間でPart7」
報告者:ダレナン

(No.2795の続き)
「俺は、ここで退くつもりはありませんよ」

美月が驚いたように目を見開く。社長の表情も微かに変化した。

「何を言っている?」

「確かに、俺は美月さんに近づくことで会社を手に入れようとしました。でも、それが本当に間違っていることなんでしょうか?」

社長が目を細めた。

「つまり?」

「企業というものは、情や信頼だけで動くものじゃない。時には戦略が必要です。俺は、野心を持って貴社に入りました。そして、それを実現するために最善の方法を選んだ。ただ、それだけの話です」

沈黙が降りた。

俺は続ける。

「社長、あなたが俺を試していたように、俺もあなたを試していました。会社を動かすには何が必要か、どういう人間がトップに立つべきか……その答えを見つけるために、俺はこの手を使ったんです」

社長は腕を組み、俺をじっと見つめた。

「ふむ……つまり、お前は何が言いたい?」

「俺は、美月さんを本当に愛することもできるし、会社を経営する能力も持っています。それは、俺がこの会社で成し遂げてきた実績が証明しています。では、俺のような人間を簡単に切り捨てるのは、本当に会社のためになるんでしょうか?」

今日のお題は、「野心と恋の狭間でPart7」

 
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