題名:今日のお題は、「野心と恋の狭間でPart7」
報告者:ダレナン
(No.2795の続き)
「俺は、ここで退くつもりはありませんよ」
美月が驚いたように目を見開く。社長の表情も微かに変化した。
「何を言っている?」
「確かに、俺は美月さんに近づくことで会社を手に入れようとしました。でも、それが本当に間違っていることなんでしょうか?」
社長が目を細めた。
「つまり?」
「企業というものは、情や信頼だけで動くものじゃない。時には戦略が必要です。俺は、野心を持って貴社に入りました。そして、それを実現するために最善の方法を選んだ。ただ、それだけの話です」
沈黙が降りた。
俺は続ける。
「社長、あなたが俺を試していたように、俺もあなたを試していました。会社を動かすには何が必要か、どういう人間がトップに立つべきか……その答えを見つけるために、俺はこの手を使ったんです」
社長は腕を組み、俺をじっと見つめた。
「ふむ……つまり、お前は何が言いたい?」
「俺は、美月さんを本当に愛することもできるし、会社を経営する能力も持っています。それは、俺がこの会社で成し遂げてきた実績が証明しています。では、俺のような人間を簡単に切り捨てるのは、本当に会社のためになるんでしょうか?」
今日のお題は、「野心と恋の狭間でPart7」