題名:今日のお題は、「落ち葉のベッド」
報告者:ダレナン
(No.2694の続き)
秋の風が静かに吹き抜ける森の中、木々から舞い落ちた葉が地面にふかふかの絨毯のように積もっていた。金色や赤色に染まった葉が柔らかく重なり合い、まるでベッドのようだった。
「わぁ……すごいね」
彼女は感嘆の声を上げながら、そっとその上に身を横たえた。落ち葉がふわりと舞い、静かな秋の香りが広がる。
「落ち葉のベッドもいいね」
彼女は目を細め、満足そうにつぶやいた。
僕もその横にそっと寝転がる。冷たくなり始めた空気の中、落ち葉が体温をほんのりと包み込んでくれる。 「確かに、悪くないかも」
空を仰ぐと、風に揺れる木々の隙間から澄んだ青空が見える。黄色や赤の葉が風に乗って舞い、まるで小さな蝶のように踊っていた。
彼女がくすっと笑う。「こうしてるとさ、まるで森に包まれてるみたい」
「うん、なんだか心地いい」
しばらくの間、僕たちは無言のまま秋のベッドに身を委ねていた。時折、遠くで鳥の鳴き声が聞こえ、木々が風に揺れる音が心地よいリズムを奏でる。
ふと、彼女が目を閉じたまま小さくつぶやいた。「ねぇ、このまま眠っちゃったら、冬が来るまで起きなくてもいいかな?」
「それじゃ、冬眠するクマみたいだね」僕は笑いながら彼女の方を向く。
「それも悪くないかも……」彼女はゆっくりと目を開け、ふわりと笑った。「でも、冬になったらまた落ち葉のベッドが雪のベッドになっちゃうね」
「そしたら、雪の上で寝転んで、今度は冬のベッドを楽しもうよ」
彼女は一瞬驚いたように僕を見たあと、くすっと笑った。「それもいいね」
秋の風がまたそっと吹き抜け、二人の間に新しい落ち葉を散らせた。
今日のお題は、「落ち葉のベッド」