題名：今日のお題は、「AIとカフェと、僕の恋」
報告者：ダレナン

(No.2680の続き)
　週末の午後、前々から評判のいいカフェに彼女とやってきた。柔らかな照明が落ち着いた雰囲気を作り、カウンターの奥ではバリスタが丁寧にドリップコーヒーを淹れている。カップやスプーンが触れ合う音、豆の香ばしい香り、そして低く流れるジャズが心地よく耳をくすぐった。
　「最近、うちの部署ではAIを使った業務効率化がどんどん進んでてね」
　彼女はカフェラテを手にしながら、嬉しそうに話し始めた。
　「たとえば？」と僕が聞くと、彼女は待ってましたと言わんばかりに身を乗り出した。
　「文書作成、データ分析、マーケティング戦略の立案まで、いろんな分野で使えるの。たとえばこの間は、AIでプレゼン資料を作成したのよ」
　そう言うと、彼女はスマホを取り出し、実際のAI生成のスライドを僕に見せた。洗練されたデザインと明確なポイント。まるで経験豊富なデザイナーが手掛けたかのようだった。
　「すごいな……」僕は思わず息をのむ。
　彼女は嬉しそうに微笑みながら、指をそっと口元に持っていく。意味ありげな仕草に、僕の鼓動が少しだけ速くなった。
　「ね？ これから宏くんの職場でもAIを使うんでしょ？ どんな業務に活かせそう？」
　「うーん、まだ具体的にはわからないけど、業務改善の話が出ててね……」
　「じゃあ、一緒に考えてみる？」
　彼女の瞳が輝く。僕は頷きながらも、話半分、もう半分は彼女の表情や仕草に見とれていた。まるで、このカフェの雰囲気と彼女の存在が、特別な魔法をかけているかのようだった。
　コーヒーの香りとAIの未来、そして彼女への想いが、ゆっくりと僕の心に溶けていく。

今日のお題は、「AIとカフェと、僕の恋」