No.2141

題名:とてつもなく
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.2140の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 沙耶の「気持ちいい?」という問いかけに僕はごく自然に頷いた。
 僕はそれほど経験が豊富なわけではない。それでも、沙耶の相手を思いやるようなその動かし方は、沙耶の性格を的確に表していた。痛くもなく、自分勝手でもなく、ただただ僕は、気持ちいい。そのことに集中すればいい。そんな動かし方だった。
 僕はいてもたってもいられず沙耶に、「キスしていいかな?」と伝えた。沙耶はいいよと応え、僕は小型木造船が傾かないようにそっと彼女に口づけした。
 沙耶から熱い吐息が感じられた。
 お互いに舌を少し出し、絡め合あった。
 次第に僕はキスの感触と沙耶の手の動きに耐えられずに○○した。その瞬間、体のすべてから何かが放出されるように、同時に僕の頭の中も真っ白になった。
 しばらく放心状態になり、少しづつ目が覚めるように視界が広がると沙耶の笑顔があった。
 それは、僕の大好きな笑顔だった。

平十郎:「ありがとう…」

 ふと沙耶のショートデニムを見ると、僕の体液で少し汚れていた。船底には僕のその白い液体も見えた。しばらく眺めていると、そこに吸収されるのが当たり前かのように、それは、船底に消えていった。

平十郎:「ごめん、デニムが汚れちゃったね…」

沙耶:「ううん、そんなこといいの」

平十郎:「沙耶の事、大好きだよ」

沙耶:「私も…」

 そして沙耶はそっと僕の頭を抱え、自分の胸に押し付けた。僕の頭は二つのたわわな隆起に包まれるようにそこに押し留まった。その時、僕はかつて同じようなことがあったことを思い出した。それはまさしく愛の記憶の供養を知ることになった母の面影でもあった。

沙耶:「平十郎くん、いいこいいこ」

そう言いながら、沙耶は僕の頭を撫でた。沙耶のことがとてつもなく愛おしかった。

 
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