No.2067

題名:創造の先端にある想像の世界
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2066の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 老人が何か思いつめるように鋭い眼光で空なる一点を見つめていた方向を見ると、僕には何も見えなかった。その後、老人は再び12AU7Aをライトセーバーと化した。そして、それを振りかざすと、そこに100の文字が見えた。「君はここに何か見えるか?」、「はい、100という文字が見えます」、「そうか、これが君にも見えるのか。おぬしにも少しはマスター・オブ・チューブとしての素養はありそうだな…」。老人はそう言って12AU7Aライトセーバーを元のさやに戻した。もとに戻すと老人と出逢った時のように老人の手の中にほの暗い12AU7Aの明かりが灯っていた。「よし、おぬし。わしについてこい。マスター・オブ・チューブの世界を君に味合わせてやろう」。
 僕は電流スピナーの充電を打ち切り、給電所に電流スピナーを残したまま、老人が歩く後についていった。
SoCと呼ばれる存在:「SoCとは、一個の半導体チップ上にシステムの動作に必要な機能の多く、あるいは全てを実装するという設計手法、また、その手法を使って作られたチップのことを指す言葉です。英語“System on a Chip”から来ています。SoCは多くの場合、コンピュータの中枢となるCPUとメモリ、ビデオチップ、I/Oといった機能を統合したチップとして設計されます」1)

第1部 完>

執筆者談:前回「SoCと呼ばれる存在」でちょうど今回のストーリーが自己規定の100となりました。毎・前回・全開で執筆してきましたが、まさか100を超えて、ストーリーが相当に途中で、さらに続くことになろうとは思いもよりませんでした。そこで以前に執筆したストーリーのおさらいをもう一度します、させていただきます。
 過去にしたためたここで、わたしは「100書きゃー結構ええボリュームやん的な感じで、何とかしたためてきた。その長めの文章がすでに6つ存在している。以下がそうだ。1. 匂いたつカレーなる愛の幻想:ターメリック扁、2. 巡るめく永遠なる愛のバン、ボンデージ、3. 登攀する愛のBlack Diamond:初恋の章、4. ゆめのだんぺんとかれいしゅう、5. 未成熟のラクダ、6. どちらがタマゴで、どちらがヒヨコだろうか?」と記述しています。これらはすべてほぼ100、100ちょいで終えています。すなわち、今回のストーリーは初めて100を超える可能性を秘めたストーリーとして、まだ題名すら決まっていないのに途中経過で100超えた、ことになります。
 これは快挙でしょうか、それとも海峡、開胸でしょうか。海を渡るその泳法に、心臓がバクバクと胸から張り裂けんばかりです。わたしはストーリーという創造の先端にある想像の世界をついに手に入れたのでしょうか?(図)

図 世界2)

1) https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/keyword/698801.html (閲覧2021.7.1)
2) https://www.pinterest.jp/pin/631278072758423488/ (閲覧2021.7.1)

 
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