No.1737

題名:ばれい。そのひびきにうっとりした。
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1736の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 でも、ふしぎにおもった。ふねでうちゅうにとびたったときは、ぼくちゃんとせんちょうしかいなかったはず。なのに、よこにはしゅじいの「竜嘉久さん」がいる。まちがいなく「竜嘉久さん」。しかも、ひとではなく、ねこだった。どういうことかだろうか、あいちゃん(えーあい、じんこーちのー)にきいてみた。

「あいちゃん、よこにしゅじいの「竜嘉久さん」がいるんだけど、まぼろしかな?」
「いいえ、まぼろしではありません。どうやら、すいみんかぷせるのなかにたまごがはいっていて、ふかしたようです」
「ふかしたって、うそを…?」
「いいえ、いもです」
「なーんだ、いもだったのか。それってやきいも?」
「そうです。ほんじつのおすすめです」

 そうして、「竜嘉久さん」とやきいもをたべた。うまいぐあいに、えんじんのねんりょうにてきしているかのごとく、ぷすぅーとすかすことができた。あいちゃんはすかさずそのがすをふうじこめ、えねるぎーたんくにとじこめた。

「いいねんりょうがてにはいりました。とてもいいねんりょうです。しばらくこれでえんじんをふかしていきます」
「らじゃー」

 ふとよこをみると、せんちょうはあいもかわらず、むふふ、とスジちゃんのえーぞーをおっていた。あのこうめいそうなせんちょうも、いまやかげもかたちもみあたらあず、しょかつもすでにせんちょうってなたちばでもなく、ただのおっちゃんのようだった。おっちゃん「河合栄蔵」。いや、おっちゃんよりも、しょかつこうめいかもしれない。じつは、せんちょうはじつは…。
 ちらりとよこめでせんちょうをみると、きゅうにせんちょうがおどりはじめた(ず)。そのすがたは、みごとで、とても、おっちゃんとはよべない。せんちょうのかれいなかんじに、これもまたべつのかれいしゅうがただよっていた。ぼくちゃんといえば、馬齢を重ねるがごとく、ここはかんじでかいてみた。なるほど、ちょっとはかしこくなった。しゅじいの「竜嘉久さん」いわく、「ぼくちゃんもなかなかやるにゃん」。ばれい。そのひびきにうっとりした。

ず おどるせんちょう1)

1) https://www.pinterest.jp/pin/401664860519160099/ (閲覧2020.6.18)

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ