No.1716

題名:そのひかりをとらえる
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1715の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 いたりーからほーらんどへうつった、あのとうじ、かたときもエミリアのことをわすれたことがなかった。エミリアにあいたかった。ごーんごーんとかねがなり、ふぃれんつぇのよるはふけていく。でも、エミリアはあらわれなかった。あたりまえだ。ぼくはひにちをまちがえていたのだ。エミリアには「わたしとのやくそくなんて、きっぺいにはもうどーでもよかったのね。わたし、じ(ゅ)んせい、まちがえたみたい」。そう、こくられ、しゅうけつした、はまーすみす・おでおん。しついのじょうたいで、エミリアにわたすはずだったちゅーりっぷをみて、ほーらんど。つぎのていしゃえきは、ほーらんど。ほーらんど、にいくか…? いこー、いこういこう、ほーらんど。やっほーやっほーほーらんど、とすきっぷした。これぞ、まさしく、こいのかたみちきっぷ。もう、エミリアともとにはもどれなかった。
 マウリッツハイス。そこからはじめたせいかつだった。ひび、ふうけいをみて、そのひかりをとらえる。それを、きゃんばすにしょうさいにうつす。それが、ぼくのしごとだった。かんたんにいってしまえば、そういうしごとだ。いたりーでは、かんたんにいえば、ざいりょうをきって、おりーぶおいるでにんにくをいためて、さらにてくびをいためて、ぼくのりょうりをたべては、エミリアに「きっぺい、てんさいかも…」といわれていた。そういうしごとだった。そのときのえがおが、そのときのエミリアのえがおが、とてもすきだった。エミリアのえがお…。いけない、またおもいだしてしまった。
 でも、こんきゅうした、かせげないひびは、しだいにせいかつひがそこをつく。たりない。そうして、ぼくは、ふでから、かめらへとしだいにしゅだんをかえざるをえなかった。
 あらゆるものをさつえいした。もはや、しゅうにゅうがえられれば、なんでもよかった。なんでもだ。でも、このぎょうかいもらいばるがおおく、そのひぐらしのせいかつひをかせげるかどうかだった。そんなとき、エミリアのおもかげをたちきるように、ジェシカとであった。ぼくがさつえいし、ジェシカがもでるとなる。それを、なんどかくりかえすひびがつづき、せいかつひもしだいにあんていしていった。なんでも、あとから、どうりょうにきいたはなしによると、ジェシカがなんどもぼくをしめいしてくれたみたいだった。
 とうじ、ジェシカによくいわれた。「あなたのえ、とってもすきよ。かめらよりもえのほうがいいんじゃない。うん、ぜったいに、そう」。たぶん、せかいではじめてぼくのえをみとめてくれたジェシカ。でも、このいちまい(ず)は、たぶん、ぼくのえぢからではかんせいできなかったかもしれない、ほーらんどのひかり。

ず ジェシカとのすたーと1)

 「ジェシカ、おぼえているかい。あのときから、ぼくたちはすたーとしていたんだ。きっと」

1) https://www.pinterest.jp/pin/337981147017297172/ (閲覧2020.6.5)

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ